【独自】マカオのカジノへの投資詐欺か、会社役員とのやりとり入手 被害は全国700人、約100億円
マカオのカジノ事業への投資名目で金をだまし取られたとして、出資者が会社役員らを相手取り、損害賠償を求める裁判を11日にも起こすことがわかりました。被害は全国700人以上で100億円にのぼるとみられています。
投資被害にあった松田直子さん(44)
「元本保証で毎月、配当が入ってくると言われ、おいしい話という感じでやったのがきっかけですね」
読売テレビの取材に応じたのは、投資詐欺の被害にあったと訴える松田直子さん。知人からの紹介で20年以上にわたり、クリニックの事務で働きコツコツと貯めた金や家族の貯金など、あわせて約2800万円を投資したといいます。
松田さんが投資した事業。それは、「マカオのカジノ事業」です。
訴状などによりますと、今回、投資を募っていたのは、コンサルティング会社「CYCマネジメント」の役員を務める50代の男性2人。役員らは少なくとも2014年以降、マカオのカジノでVIP客に金を貸し付ける事業への投資を勧誘していました。
会社役員
「元本保証で毎月1.5%の配当がもらえる」
このようなうたい文句で、全国700人以上から約100億円を集めていたとみられます。役員らは、実際に松田さんらをマカオでカジノを運営する有名ホテル「МGМ」に連れていき、カジノで大金が動く様子を見せ信用させていたほか、勝手にМGМのロゴを使い、預り金の受領証を発行するなどしていたということです。
投資被害にあった松田直子さん
「これで信用した部分もありますね。MGMも関わっている会社なんやなCYCは、と思いました」
当初は払われていたという配当金ですが、4年前、突然、入金が止まります。ほかの出資者らが役員2人を問い詰めたところ、実は事業自体が架空の投資話だと認めたといいます。
読売テレビは役員とのやりとりの音声を入手しました。
出資者
「ポンジ・スキーム(投資詐欺)で元本崩して、配当払っていたわけではないですよね?」
会社役員
「んーまぁ…正直に言うと、元本崩したことはある」
松田さんらは元本の返金を求めましたが、「新型コロナ禍でマカオに行けず、返金作業ができない」などと毎回言い訳をして返金に応じず、いまは連絡も取れないといいます。松田さんは生活が苦しくなり、父親が亡くなった際の葬儀費用も借金をしないと払えないような状況に…。
投資被害にあった松田直子さん
「もう本当に(金を)返してほしいですね。連絡もないし、何もないから、とりあえずどうなるのか直接聞きたい」
松田さんら出資者10人は、役員2人が最初から金をだまし取る目的で集めたとして、約5100万円の損害賠償を求め、11日にも大阪地裁に提訴する方針です。
役員のうちの1人は、先週、読売テレビの取材に―。
会社役員の1人
「何も答えることはない」
100億円もの出資金は一体どこにいったのでしょうか。 松田さんらは役員2人を詐欺の疑いで刑事告訴することも検討しています。
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