【 ストグラ DAY3】 カジノの面接!どきどき…【天成する蔵/さんしあ】

【 ストグラ DAY3】 カジノの面接!どきどき…【天成する蔵/さんしあ】

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93歳 天成する蔵

彼は、上場企業の部長である。

仕事人間だったが友人関係に恵まれ、愛する家族もいた。
しかし、彼が35歳の頃、仕事を優先しすぎたあまり妻は愛想を尽かし、子供を連れて出ていってしまった。

それ以降、彼の心は常に満たされることがなく、ずっと靄がかかっていた。

その靄を払うように仕事に打ち込むが、一向に晴れることはない。

お金は貯まる。だが、それがなんだというのだろうか。

そして死の直前、ベッドで寝たきりの彼のもとを尋ねる人は誰もいない。
今際の際に、彼はその人生と向き合うことになる。

「ああ、もっと自分のしたいことをすればよかった」

やがて彼の意識は遠くなり、彼はゆっくりと目を閉じた。

目を開けると、彼は飛行機の中だった。馬鹿な。もう自分は動けない筈なのに。
彼は両手を動かす。動く。身体が軽い。意識も明瞭だ。

「起きたか?」

ふと隣りに座っている人から話しかけられる。

「ここは?」

「何いってんだ、今から俺たちはロスサントスに行くんだろ?」

席の隣の男が言うには、私達は先程空港で出会い仲良くなったようで、これから私達二人はロスサントスという街で暮らすということだった。

「人生を変えるんだろ」

隣りに座る男は笑顔でそういった。飄々としているようで、瞳の奥には覚悟を感じられた。

どういうわけか、私はもう一度人生を送ることを許されたらしい。

それなら、私は思う。

今度こそ、好きに、自由に暮らそうと。

彼の身体はどうやら23歳のようだ。

彼の身体に入ってから、考えが彼の年齢に精神が引っ張られるきがする…。

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